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何から始める?内定に結びつける自己分析のやり方|例文・ワークシート付き

更新日:4月12日

自己分析とは?その重要性


自己分析とは、自分自身の価値観・強み・弱み・興味・経験を客観的に分析し、整理するプロセスです。就職活動において、自己分析が重要である理由は主に3つあります。


  1. 採用担当者への説得力のある自己PRが作れる自分の強みとそれを裏付ける具体的なエピソードを理解していれば、「なぜあなたを採用すべきか」を明確に伝えられます。

  2. ミスマッチを防ぎ、長く働ける企業を見つけられる自分の価値観や大切にしていることを知ることで、それに合った企業文化・仕事内容を持つ会社を選べます。

  3. 面接での質問に一貫性を持って答えられる「学生時代に力を入れたこと」「あなたの強みは何か」などの定番質問に、準備された一貫性のある回答ができます。


就活において「自分を売り込む」ためには、まず「自分という商品」の特徴を正確に把握する必要があります。それが自己分析の本質です。


効果的な自己分析の5つのステップ

ステップ1: 過去の経験を時系列で整理する

大学生活だけでなく、高校時代や幼少期まで含めて、印象に残っている経験・出来事を書き出しましょう。特に以下の点に注目します

  • 熱中したこと、打ち込んだこと

  • 困難を乗り越えた経験

  • 達成感・充実感を得た体験

  • 挫折した経験とその対応


実践方法: まずは箇条書きでも構いません。「いつ」「何を」「どのように」取り組み、「どんな結果」になったかを簡潔に記録します。


ステップ2: 自分の行動パターンを分析する

ステップ1で書き出した経験から、自分の行動パターンや傾向を見つけましょう。

  • どんな状況で最も力を発揮するか

  • どんな役割を自然と担うことが多いか

  • どんな課題に対して積極的に取り組むか

  • 困難に直面したときの対処法


実践方法: 複数の経験を比較し、共通点を見つけます。例えば「チームでの活動で調整役を担うことが多い」「緻密な計画を立てて行動するタイプ」など。


ステップ3: 他者からの評価を集める

自分では気づかない強みや特性を知るために、友人・家族・先輩などから率直な評価を集めましょう。

  • あなたはどんな人だと思うか

  • あなたのどんなところを評価しているか

  • あなたならではの特徴は何か

  • どんな場面であなたの良さが発揮されると思うか


実践方法: 直接聞くことに抵抗がある場合は、LINEやメールで質問を送っても良いでしょう。また、過去に受けた評価や褒められた経験を思い出すことも効果的です。


ステップ4: 価値観・興味の整理

自分が大切にしている価値観や興味を明確にしましょう。

  • 仕事で最も重視したいことは何か(チームワーク、創造性、安定性など)

  • どんな状況で充実感を得るか

  • 10年後どんな人生を送っていたいか

  • お金や時間に制限がなければ何をしたいか


実践方法: 価値観ワークシートを活用したり、職業興味検査などのツールも参考にすると良いでしょう。


ステップ5: 強み・弱み・独自性の特定

これまでの分析をもとに、自分の強み・弱み・他者との違いを具体的に言語化します。

  • 自分の強み(3〜5つ)とそれを裏付けるエピソード

  • 改善すべき弱みとその克服方法

  • 他の就活生と比較した際の独自性


実践方法: SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)のフレームワークを活用すると整理しやすくなります。


自己分析ワークシート:質問リスト

以下の質問に順番に答えていくことで、効率的に自己分析を進められます。すべてに答える必要はありません。自分に当てはまる質問や考えるきっかけになる質問を選んで取り組みましょう。

過去の経験に関する質問

  1. 大学生活で最も力を入れたことは何ですか?なぜそれに取り組みましたか?

  2. これまでの人生で最も誇りに思う達成は何ですか?

  3. 困難を乗り越えた経験について、どのように対処しましたか?

  4. 挫折を経験したことはありますか?それからどんな学びがありましたか?

  5. グループやチームで活動した際、あなたはどんな役割を担うことが多いですか?

  6. 子どもの頃から続けていることや好きなことは何ですか?


強み・弱みに関する質問

  1. 友人や家族からよく褒められる点は何ですか?

  2. 自分で「これは人より優れている」と思う能力や特性は何ですか?

  3. 苦手なこと、改善したいと思う点は何ですか?

  4. その弱みをどのように克服しようとしていますか?

  5. どんな環境や状況で最も力を発揮できますか?

  6. ストレスを感じる状況とその対処法は何ですか?


価値観・将来に関する質問

  1. 仕事選びで最も重視することは何ですか?(給与、やりがい、環境など)

  2. 5年後、10年後の自分はどうなっていたいですか?

  3. 理想の上司・同僚とはどんな人ですか?

  4. お金の心配がなければ、何をして過ごしたいですか?

  5. これまでに影響を受けた人物は誰ですか?その理由は?

  6. 社会にどのような貢献をしたいですか?


業界・職種への適性に関する質問

  1. なぜその業界・職種に興味を持ちましたか?

  2. その仕事に必要なスキルのうち、あなたが持っているものは何ですか?

  3. その業界で働く上で課題になりそうなことはありますか?

  4. 業界研究をして興味深いと思った点は何ですか?

  5. インターンシップや業界研究で気づいたことは何ですか?


このワークシートに記入したら、回答の中から共通点や特徴を見つけ出しましょう。それが自己PRの核になります。


自己PRにつなげる方法

自己分析で見えてきた自分の強みや価値観を、効果的な自己PRに変換するステップを解説します。


1. 強みの言語化と具体化

自己分析で見つけた強みを、就活で通用する言葉で表現し直します。

:

  • 「細かいことが気になる性格」→「緻密な分析力と高い品質管理能力」

  • 「皆の意見を聞くタイプ」→「多様な視点を取り入れる柔軟性とチーム調整力」


2. エピソードによる裏付け

強みを主張するだけでなく、それを証明するエピソードを用意します。SAR(Situation-Action-Result)方式で整理すると説得力が増します。

  • S(状況): どんな状況・課題があったか

  • A(行動): あなたが具体的に何をしたか

  • R(結果): どんな成果・学びが得られたか

例文:「私の強みは、目標達成のための粘り強さです。大学3年次のゼミ論文では、当初テーマ設定に苦戦しましたが、先行研究を50本以上読み込み、教授に10回以上相談して独自性のあるテーマを確立しました(S・A)。その結果、学内コンテストで優秀賞を受賞し、教授からも高い評価をいただきました(R)。この粘り強さを貴社でも発揮し、困難な課題にも諦めず取り組みたいと考えています。」

3. 企業研究との接続

自分の強みと志望企業が求める人材像・事業課題を結びつけます。

手順:

  1. 企業の求める人材像(HPや求人票、OB・OG訪問から情報収集)

  2. 企業の課題や今後の方向性(IR情報、ニュース、採用担当者の発言など)

  3. 自分の強みがどう貢献できるかを具体的に説明

例文:「貴社が掲げる『顧客第一主義』と『イノベーション重視』の企業理念に強く共感しています。私のコミュニケーション能力と新しいことに挑戦する姿勢は、御社の顧客満足度向上とサービス革新に貢献できると考えています。特に、学生団体での活動で培った顧客視点での企画立案力を活かし、御社の〇〇事業において△△のような提案ができると考えています。」

4. 弱みの戦略的な伝え方

弱みを聞かれた場合の答え方も準備しておきましょう。

ポイント:

  • 致命的でない弱みを選ぶ

  • 克服するための具体的な行動を示す

  • 可能であれば、弱みが別の視点では強みになることを示す

例文:「私の課題は、完璧を求めすぎるあまり意思決定に時間がかかることです。この課題を克服するために、大学のプロジェクト活動では、『80%の完成度で一旦提出する』というルールを自分に課しました。また、重要度に応じて時間配分を変える工夫もしています。この経験から、効率性とクオリティのバランスを取ることの重要性を学びました。」

自己分析でよくある失敗とその対処法

失敗①: 抽象的な表現にとどまる

「コミュニケーション能力が高い」「リーダーシップがある」など、抽象的な表現だけで終わってしまうケース。

対処法:

  • 具体的なエピソードと数字で裏付ける

  • 「なぜそう言えるのか」の根拠を示す

  • 「どのように発揮したのか」のプロセスを説明する

改善例:×「私はコミュニケーション能力が高いです」○「私は20人規模のサークルで広報担当として、メンバーの意見を集約し、月間SNGへの投稿数を前年比150%に増加させました。特に個別面談を全メンバーと実施し、各人の強みを活かした役割分担を提案したことが成功要因だと考えています」

失敗②: 自己評価と他者評価のギャップ

自分では強みだと思っていることが、客観的に見るとそうでもないケース。

対処法:

  • 友人や先輩に率直な評価をもらう

  • インターンシップやアルバイトでの評価を参考にする

  • 性格診断ツールなどの客観的指標も活用する


失敗③: 企業側の視点が欠けている

自分の好きなことや得意なことだけを語り、企業にとってのメリットを示せていないケース。

対処法:

  • 自分の強みが企業でどう活かせるか具体的に考える

  • 業界・企業研究を深め、求められる人材像を理解する

  • 「だから御社に貢献できる」という結論を必ず示す


失敗④: 一般論に頼りすぎる

書籍やネットの情報をそのまま使い、個性が感じられない自己分析になるケース。

対処法:

  • 自分だけの具体的なエピソードを必ず入れる

  • 「私ならでは」の視点や言葉遣いを意識する

  • テンプレートは参考程度に留め、自分の言葉で書き直す


失敗⑤: 過去の経験だけに頼る

過去の実績や経験を並べるだけで、将来の可能性や成長意欲を示せていないケース。

対処法:

  • 過去の経験から何を学び、今後どう活かすかを説明する

  • 入社後のビジョンや目標も示す

  • 自己成長への意欲を具体的に伝える


業界・職種別の自己分析ポイント

営業職を志望する場合

重視すべき経験・強み:

  • 目標達成のためにやり抜いた経験

  • コミュニケーション能力を発揮した場面

  • 困難を乗り越えた粘り強さ

  • 相手の課題を引き出した経験


自己分析ポイント:

  • 過去の営業活動(アルバイト、サークル勧誘など)での成功体験

  • 人間関係構築において意識していること

  • 目標に対するコミットメント度の高さを示すエピソード


IT・エンジニア職を志望する場合

重視すべき経験・強み:

  • 論理的思考力を発揮した経験

  • 技術習得のために努力した経験

  • 問題解決のプロセス

  • チームでの協働経験


自己分析ポイント:

  • 自主的に学んだプログラミング言語や技術

  • 効率化や改善に取り組んだ経験

  • 複雑な問題を分解して解決した例


金融業界を志望する場合

重視すべき経験・強み:

  • 数字への強さや分析力

  • 正確性と細部へのこだわり

  • 信頼関係構築の経験

  • コンプライアンス意識


自己分析ポイント:

  • 数値管理や予算管理の経験

  • リスク分析や意思決定のプロセス

  • 倫理観や責任感を示すエピソード


メーカー(技術職)を志望する場合

重視すべき経験・強み:

  • モノづくりへの情熱

  • 研究開発の経験

  • チームでの協働力

  • 改善・効率化の意識


自己分析ポイント:

  • 研究室やプロジェクトでの具体的な貢献

  • 試行錯誤して成果を出した経験

  • 品質向上や効率化に取り組んだ例


コンサルティング業界を志望する場合

重視すべき経験・強み:

  • 論理的思考力と分析力

  • プレゼンテーション能力

  • 多角的な視点

  • 問題発見能力


自己分析ポイント:

  • データ分析から結論を導いた経験

  • 提案が採用された事例

  • 複数の選択肢から最適解を見出した経験

業界・職種別の特徴を理解し、それに合わせて自己分析の焦点を調整することで、より効果的なアピールが可能になります。


まとめ:明日から始める自己分析実践プラン




自己分析を継続的に深めるために

自己分析は一度で終わるものではありません。就活期間中、以下の習慣を取り入れて継続的に自己理解を深めましょう。



 
 
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