面接官が唸るガクチカの作り方完全ガイド|就活で評価される書き方のコツと例文20選【2025年版】
- 阿部 よつば
- 3月17日
- 読了時間: 15分
更新日:4月12日

就活でほぼ必ず問われる「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」。この質問への回答が、あなたの評価を大きく左右します。なぜなら、ガクチカは単なる学生時代の思い出話ではなく、あなたの人間性や仕事への姿勢、成長力を見極める重要な判断材料だからです。
本記事では、企業が評価するガクチカの作り方を、選び方から構成、伝え方まで徹底解説します。就活生の悩みに寄り添った具体例やNG例も多数紹介するので、自分だけのオリジナルガクチカを作りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
1. ガクチカとは?企業が本当に知りたいこと
ガクチカの定義と目的
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略で、就職活動において最も頻出する質問の一つです。エントリーシート(ES)や面接で必ず問われると言っても過言ではありません。
企業がガクチカを聞く本当の目的は、以下の3点を見極めることにあります
能力や資質の証明:あなたが持つビジネススキルや人間性の強みを、具体的なエピソードで裏付けること
取り組む姿勢の確認:困難にどう立ち向かい、どのようにして結果を出したのか
成長可能性の予測:その経験から学んだことが、入社後どのように活きるのか
つまり、単に「頑張りました」という事実ではなく、その経験を通じてどのような価値観や能力が形成されたのかを伝えることが重要なのです。
企業が評価するガクチカの3要素
採用担当者が高く評価するガクチカには、次の3つの要素が含まれています
具体性:抽象的な表現ではなく、数字や固有名詞を交えた具体的なエピソード
困難克服プロセス:課題に直面した際の思考プロセスと行動
学びと成長:経験から得た気づきと、それが今後どう活かせるか
これらの要素が織り込まれたガクチカは、あなたの人間性や問題解決能力を効果的に伝えることができます。
2. 選ぶべきガクチカのテーマ|5つの選定基準
ガクチカのテーマ選びで差がつく
ガクチカの土台となるテーマ選びは、選考通過の大きな分かれ目です。一般的に以下のような活動がガクチカのテーマとして選ばれます
サークル・部活動:リーダーシップや協調性をアピールしやすい
アルバイト経験:社会人基礎力や実務経験をアピールできる
ゼミ・研究活動:専門性や論理的思考力をアピールできる
留学・国際交流:語学力や異文化適応力をアピールできる
ボランティア活動:社会貢献意識や主体性をアピールできる
しかし、テーマ自体よりも重要なのは、そのテーマを通じて何を伝えるかです。
テーマ選定の5つの基準
効果的なガクチカのテーマを選ぶための基準は以下の5つです
本気度が伝わるもの:形だけでなく、情熱を持って取り組んだ経験
成長が実感できるもの:取り組む前と後で自分自身に変化があった経験
困難を乗り越えたもの:挫折や課題を克服するプロセスが含まれる経験
自発的に取り組んだもの:他者に言われてではなく、自ら選択して行動した経験
志望企業・職種と関連性があるもの:業界や職種で求められる資質と結びつく経験
特に5つ目の「志望企業・職種との関連性」は非常に重要です。例えば、営業職を志望するなら顧客折衝の経験、エンジニア職ならプログラミングやものづくりの経験など、職種に関連するスキルや姿勢を示せるエピソードを選びましょう。
企業研究とテーマ選びの関係
効果的なガクチカを作るには、志望企業が求める人材像を理解することが不可欠です。企業研究のポイントとして
企業の理念・ビジョンと共感できる部分
求める人材要件や求める資質
職種別の必要なスキルや能力
これらを踏まえ、「なぜその経験が志望企業・職種で活きるのか」を明確に説明できるテーマを選びましょう。
3. ガクチカの書き方|PREP法とSTAR法の活用法
PREP法で全体構成を整える
PREP法は、説得力のある文章を書くためのフレームワークで、以下の4つのステップで構成されます
Point(結論):最初に伝えたいことの結論を述べる
Reason(理由):なぜその結論に至ったのかの理由を説明
Example(具体例):説得力を高めるための具体的なエピソード
Point(結論):最後にもう一度結論を述べて締めくくる
ガクチカにPREP法を適用すると、以下のような構成になります
最初のPoint:「私が学生時代に最も力を入れたのは〇〇です。この経験から△△という強みが身につきました」
Reason:「〇〇に取り組んだ理由は~だからです」
Example:「具体的には~というエピソードがあります」(ここをSTAR法で詳細に)
最後のPoint:「このように〇〇の経験から得た△△という強みは、御社の□□の場面で活かせると考えています」
STAR法で具体例を説得力あるものに
STAR法は、具体的なエピソードを伝えるためのフレームワークで、以下の4つの要素で構成されます
Situation(状況):いつ、どこで、どのような状況だったか
Task(課題):そこでどのような課題や目標があったか
Action(行動):その課題に対してどのような行動をとったか
Result(結果):その行動によってどのような結果や成果が得られたか
STAR法を使うことで、抽象的な自己PRではなく、具体的な事実に基づいた説得力のあるエピソードを伝えることができます。
効果的なガクチカの構成例
PREP法とSTAR法を組み合わせた効果的なガクチカの構成例は以下の通りです
導入(Point):学生時代に力を入れたことと、そこから得られた強み(200字程度)
理由(Reason):なぜその活動に力を入れたのか(150字程度)
具体例(Example):STAR法による具体的なエピソード(300字程度)
Situation:具体的な状況説明
Task:直面した課題や目標
Action:取った行動(ここが最も重要)
Result:得られた結果や成果
結論(Point):経験から得た学びと、志望企業でどう活かせるか(150字程度)
この構成で書くことで、採用担当者に「何を頑張ったのか」「どう行動したのか」「何を学んだのか」「入社後どう活かせるのか」が明確に伝わります。
4. 業界・職種別の効果的なガクチカ
営業職向けガクチカ例文
テーマ:飲食店アルバイトでの売上向上への取り組み
私が学生時代に最も力を入れたのは、居酒屋でのアルバイト経験です。この経験を通じて、顧客ニーズを把握し適切な提案をする力を身につけました。
居酒屋は競合店が多く、リピーターを増やすことが課題でした。そこで私は、お客様一人ひとりの好みや来店目的を記録し、次回来店時にパーソナライズされたサービスを提供することを考えました。
具体的には、常連客のデータベースを作成し、好みのドリンクや料理、アレルギー情報などを記録。来店時にはその情報を基に「前回◯◯を美味しいと言っていただきましたが、今日は新メニューの△△も似た味わいでおすすめです」など具体的な提案を行いました。
この取り組みの結果、担当テーブルの客単価が前年比15%向上し、リピート率も23%増加。店長からも高い評価をいただきました。
この経験から得た「顧客の潜在ニーズを把握し最適な提案をする力」は、御社の法人営業においても、クライアントの真の課題を見極めた提案活動に活かせると考えています。
エンジニア職向けガクチカ例文
テーマ:プログラミングサークルでのアプリ開発
私が学生時代に最も力を入れたのは、プログラミングサークルでのアプリ開発プロジェクトです。この経験から、技術的課題を粘り強く解決する力と、チームでの開発スキルを身につけました。
プログラミングに興味を持ち入部しましたが、当初サークルには体系的なカリキュラムがなく、新入生が技術を習得できずに辞めていくという問題がありました。
そこで私は2年次に教育担当として、初心者向けの学習カリキュラムを整備。さらに、大学祭での出展を目標に、部員5名とキャンパスマップアプリの開発プロジェクトをリードしました。開発中はAPIの仕様変更などの技術的トラブルに直面しましたが、夜を徹して公式ドキュメントを読み込み、代替案を考案して実装。期限内にアプリをリリースすることができました。
この結果、アプリは学内で1000ダウンロードを達成し、翌年の新入部員が前年比2倍に増加。また個人的にも、ReactとFirebaseによるアプリ開発スキルを習得できました。
この経験で培った「技術的障壁を乗り越える粘り強さ」と「チーム開発の進行管理能力」は、御社のプロダクト開発においても大いに活かせると確信しています。
金融業界向けガクチカ例文
テーマ:株式投資サークルでのファンド運用
私が学生時代に最も力を入れたのは、株式投資サークルでの仮想ファンド運用プロジェクトです。この活動を通じて、データに基づく分析力と長期的視点での意思決定能力を身につけました。
入部当初、サークルでは感覚的な投資判断が多く、パフォーマンスが安定しないという課題がありました。
そこで私は、財務分析チームのリーダーとして、5名のメンバーと共に企業の財務諸表を徹底的に分析するフレームワークを構築。PER、PBR、ROEなどの指標だけでなく、非財務情報も含めた総合評価シートを作成し、週次のミーティングで投資判断の根拠を明確に説明する仕組みを導入しました。特に力を入れたのは、業界動向と企業の中長期成長戦略の分析で、四半期ごとの決算説明会資料を全てチェックし、経営者の発言と実際の業績を照らし合わせる作業を続けました。
この取り組みの結果、サークルの運用成績が1年間でTOPIX+5%のパフォーマンスを達成。また私個人としても、銘柄分析のスキルが向上し、日経STOCKリーグでは全国準優勝を獲得しました。
この経験で培った「数字を多角的に分析する力」と「中長期的視点での判断力」は、御社の資産運用アドバイザーとして、お客様の人生設計に寄り添った提案活動に活かせると考えています。
その他の業界・職種向けガクチカ例文は、テーマごとにPREP法とSTAR法を活用して作成しています。就活生の皆さんは、これらを参考にしつつ、自分自身の経験を基にしたオリジナルのガクチカを作成しましょう。
5. ガクチカのNG例|採用担当者が敬遠する3つのパターン
NGパターン1:具体性のない抽象的な表現
採用担当者が最も敬遠するのが、「頑張りました」「成長しました」などの抽象的な表現だけで具体的なエピソードがないガクチカです。
NG例
私は学生時代、バスケットボール部に所属し、チームワークの大切さを学びました。厳しい練習を乗り越え、最後まで諦めない精神力も身につきました。この経験は社会人になっても活かせると思います。
なぜダメか
具体的なエピソードがなく、どのように頑張ったのかが伝わらない
「チームワーク」「精神力」という言葉だけでは、実際にどのような能力が身についたのか不明確
「社会人になっても活かせる」という主張に説得力がない
NGパターン2:結果だけを強調し過程が見えない
努力のプロセスを省略し、結果だけを強調するガクチカも評価されません。採用担当者は「どのように考え、行動したか」というプロセスに注目しています。
NG例
私は学生時代、ゼミでの研究発表で最優秀賞を獲得しました。この経験から、目標達成に向けて努力する大切さを学びました。この姿勢は御社でも発揮できると考えています。
なぜダメか
最優秀賞を獲得するまでの過程(何を研究し、どのような工夫をしたのか)が書かれていない
「努力する大切さ」という抽象的な学びだけで、具体的にどのようなスキルや考え方が身についたのかが不明確
成果だけでは、その人の真の実力や考え方が伝わらない
NGパターン3:志望企業・職種との関連性が示されていない
いくら素晴らしい経験でも、それが志望企業や職種でどう活かせるのかの関連性が示されていないと、「なぜうちの会社なのか」という疑問が残ります。
NG例
私が学生時代に力を入れたのは、海外ボランティアです。カンボジアで10日間、学校建設のボランティアに参加し、現地の子どもたちと交流しました。この経験から、異文化を理解する大切さを学びました。
なぜダメか
貴重な経験だが、志望する企業や職種でどう活かせるのかの関連性が示されていない
「異文化理解」という学びが、実際の業務でどのように役立つのか具体的に言及されていない
10日間という短期間の活動で、どこまで深い学びがあったのか疑問が残る
評価されるガクチカへの改善ポイント
NGパターンを避けるための改善ポイントは以下の通りです
具体的なエピソードと数字を盛り込む
「週5日、1日3時間の練習」「メンバー20名のチーム」など具体的な数字
いつ、どこで、誰と、何をしたのかを明確に
行動のプロセスと思考を詳細に説明する
課題に直面したときにどのように考え、なぜその行動を選択したのか
工夫した点や試行錯誤したことを具体的に
志望企業・職種との関連性を明確に示す
学んだことや身についたスキルが、志望企業や職種でどう活かせるのか
業界や企業の課題と自分の経験がどう結びつくのか
これらのポイントを押さえることで、採用担当者の心に響くガクチカに改善できます。
6. ガクチカを面接で効果的に伝えるためのポイント
面接での時間配分と構成
面接でガクチカを伝える際の理想的な時間配分は以下の通りです
導入(20秒):テーマと得られた強みを簡潔に述べる
背景・理由(30秒):なぜその活動に取り組んだのか
具体的なエピソード(1分30秒):STAR法に沿った具体例
学びと活かし方(40秒):得た学びと志望企業での活かし方
合計で約3分を目安にし、長くても5分以内に収めるようにしましょう。話しすぎると面接官が飽きてしまい、重要なポイントが伝わらなくなります。
説得力を高める話し方のテクニック
結論から先に伝える
「私が学生時代に力を入れたのは〇〇で、そこから△△という強みを身につけました」と最初に伝える
面接官は結論を聞いた上で、その根拠となるエピソードを聞きたいと思っている
数字を効果的に使う
「週3回、計300時間の練習」「メンバー15名のチーム」など具体的な数字
「売上20%アップ」「来場者数が前年比2倍」など成果を表す数字
変化や成長を強調する
「最初は〇〇だったが、△△を経て□□になった」という変化の構図
経験前と後での自分自身の変化や成長を明確に
志望動機との一貫性を保つ
ガクチカで主張する強みと志望動機で伝える自分の価値を一致させる
「だからこそ御社を志望しています」と自然につながるストーリー
面接官からの質問に備える
ガクチカについて、面接官から以下のような掘り下げ質問が来ることが多いです
「その経験で最も大変だったことは何ですか?」 → 具体的な困難と、それをどう乗り越えたかを簡潔に答える
「チームでの役割は何でしたか?」 → 自分の役割と、チームへの貢献を具体的に説明
「もう一度同じことをするなら、何を改善しますか?」 → 謙虚さと成長意欲をアピールできるチャンス。具体的な改善点を1〜2つ挙げる
「その経験は御社でどう活かせますか?」 → 志望企業の業務や課題と結びつけて具体的に説明
これらの質問にも答えられるよう、自分のガクチカの内容を深堀りして準備しておきましょう。
7. ガクチカの作成手順|実践ワークシート
ステップ1:経験の棚卸し
まずは学生時代の経験を幅広く書き出します。以下のカテゴリごとに思い出しましょう
正課活動:ゼミ、研究、プロジェクト、グループワークなど
課外活動:サークル、部活動、学生団体、ボランティアなど
仕事経験:アルバイト、インターンシップなど
個人的取り組み:資格取得、独学、趣味の活動など
それぞれの活動について
いつからいつまで取り組んだか
どのような役割を担ったか
特に印象に残っているエピソード(成功体験・失敗体験)
その活動で身についたと思うスキルや強み
を書き出します。
ステップ2:エピソードの選定
ステップ1で書き出した経験の中から、以下の基準でガクチカにふさわしいエピソードを3つほど選びましょう
自分が主体的に取り組んだもの
困難や課題を乗り越えた経験があるもの
具体的な成果や変化が説明できるもの
志望する業界・企業・職種との関連性が見いだせるもの
選んだエピソードについて、STAR法の枠組みで詳細を整理します
Situation:いつ、どこで、どのような状況だったか
Task:何が課題で、どのような目標があったか
Action:どのように行動したか(最も詳しく)
Result:どのような結果が得られたか
ステップ3:強みと志望先との関連付け
選んだエピソードから導き出せる自分の強み(能力や資質)を明確にします
そのエピソードから証明できる能力は何か
その能力は志望企業・職種でどのように活かせるか
なぜその能力が志望先で価値を生み出せるのか
志望企業の求める人材像や事業内容と照らし合わせ、最も関連性の高いエピソードを最終的に選びます。
ステップ4:PREP法による構成
ステップ1〜3で整理した内容を元に、PREP法の枠組みでガクチカを構成します
Point:学生時代に力を入れたことと得られた強み
Reason:なぜその活動に取り組んだのか
Example:STAR法で整理した具体的なエピソード
Point:その経験から得た学びと志望先での活かし方
ステップ5:推敲と改善
作成したガクチカを以下のチェックポイントで見直します
学生時代に実際に経験したことか(虚偽はNG)
具体的なエピソードが含まれているか
数字や固有名詞を用いて具体性を高められているか
自分の思考プロセスや行動が明確に伝わるか
志望企業・職種との関連性が示されているか
全体の文字数が800字前後に収まっているか(ES用)
友人や家族に読んでもらい、第三者からのフィードバックを得ることも効果的です。
ステップ6:練習と本番対応
ESと面接では同じガクチカでも伝え方を調整する必要があります
ES用:文章表現を洗練させ、読みやすさを重視
面接用:要点を絞り、3分程度で伝えられるよう練習
面接では、話す内容を暗記するのではなく、エピソードの流れを体系的に理解し、自分の言葉で自然に話せるようにしましょう。録音して客観的に確認したり、友人との模擬面接で練習することをおすすめします。
まとめ
ガクチカは、単なる「学生時代の思い出話」ではなく、あなたの強みや価値観、成長可能性を伝える重要なツールです。本記事で紹介した作成方法とポイントを参考に、自分だけのオリジナルガクチカを完成させてください。
完璧を目指すあまり書けなくなってしまうよりも、まずは書き出してみて、少しずつ改善していくことが大切です。ガクチカは就活だけでなく、自分自身を見つめ直す貴重な機会にもなります。
自信を持って面接に臨めるガクチカを作り、志望企業からの内定獲得につなげましょう!皆さんの就活が実り多きものになることを心より応援しています。